デジイチ批評 その1

最終更新日 2009年6月29日


使えないデジタル一眼

性能&価格的にもうそろそろ良いかな、と05年7月にニコンD50を購入。
しかしAFの性能がいまいちで使い物にならないことが判明。ガッカリ。

例えば、下の写真は沖縄の備瀬で撮ったものだが、
左が全景、右が中央部のあたりをピクセル等倍で取り出したものである。
レンズはタムロン18-200mmのズーム。18mm側で撮っている(F9.5)。
画像 画像
気になって(なぜ気になったかというと、レンズの距離目盛が7mぐらいだったから)
翌日MFで撮り直したものが下の写真である。
画像 画像
AFのダメダメ具合が一目瞭然である。こんなんでは使い物にならない。

ニコンの窓口に電話してみると、「被写界深度でなんとかしろ」という返事。
検索して探すとAFセンサの調整でなんとかなる可能性があるようなので
修理に出してみる。結果は「許容範囲内だが再調整はした」とのこと。
戻ってきたもので、今度は室内で撮ってみたのが下の写真。
上と同じく中央部のピクセル等倍で、左がAF、右がMFである。
画像 画像
やっぱりダメダメだけど、この程度ならまあ許せないこともなくもないかもしれない。

考察

観察事実:

  1. AFは一貫して手前側に合う
  2. 広角側ではずれが大きい
  3. 望遠側では比較的良く合う
  4. 近距離では比較的良く合う
推測するに、AFは焦点の合う範囲の手前端に合わせるような仕組みなのではないか。 広角では被写界深度が大きくなるが、その分AFのずれも大きいので広角の利点は 得られない。さらに、被写体が小さくなる分だけAFも合わせにくくなるということの 相乗効果(悪い場合に使うのは間違っているかな)で、ピンぼけになるのかもしれない。

結論

デジタル一眼のAF性能はCCD等の要求する精度に追いついていない。 05年の時点ではまだコンパクトデジタルカメラの方が「使えるカメラ」である。

さらに

D50を買うにあたって、カメラ雑誌やWeb上の情報もいろいろ調べてみたが、概して、 「AFの性能は十分である」、「ニコンのAFは他社より良い」となっているものが多い。 試写の結果を出しているサイトもある。これとどう整合性がつくのか。

仮説1:AFとは言いつつも実はMFで合わせている。
    メーカーからの広告がないとやっていけないので こういうこともあるかもね。

仮説2:そういう評価をする所にはメーカーは特別に良いやつを出している。
    ま、これもありそうな話ではある。

どっちにしても、たいして参考にならないことには変わりない。

ニコンはD50の宣伝で「子供を撮りましょう」みたいなことを言っているので、 ある意味正直なのかもしれない。被写体が近くにあって大きく写る場合は AFがそこそこの性能を発揮するからだ。さらにサービスサイズにプリントするなら それで十分なのかも。PCで等倍で見るというのは、酷な要求なのか、どうなのか。

一方、ニコン純正のレンズには距離目盛がない。距離が合っていないことを ばれないようにするという意味でそうなっているのなら、ズルイ。 十分な性能が確保できるんならそれでも良いんだけど。 ちなみに、ニコンは他社製レンズとの組み合わせでの動作保証はしていないそうだ。 まるでちょっと前のソフトウェアみたいだ。


このページをお読みの皆様

AFの仕組みとかはあまり知らないので、事実誤認を見つけたら教えてもらえると ありがたいです。「自分のD50は何も問題ないぞ」という意見は不要です。 「私のD50は使えない」かつ「それは直らない」という事実は変わらないからです。



もう一つ面白い現象を発見したので、報告する。題して

デジタル一眼を惑わす魔法のレコード

LPレコードの記録を取っていたところ、ホワイトバランスを破壊する ジャケットを見つけた。
下は正しく写った画像である。ジャケットの周囲がほぼニュートラルグレイに なっている。
画像 画像
一方、次の写真は
画像 画像
上とそっくりなのに緑色に偏っている。 さらにその影響が次の写真にまで残っている(右側)。
これは2度撮って2度とも同じ結果になったので、このアルプスらしい 美しい写真には、デジタルカメラを惑わす秘密が隠されているに違いない。

一般的に、デジタルカメラのホワイトバランスは、青い領域が多ければ 青を減らす方向へ、赤が多ければ赤を減らす方向へ調整するはずである。 この青と緑の多い写真を撮れば、灰色の領域は赤っぽくなるのが普通である。 では、この緑はいったい?

デジタルカメラは高性能になる一方、内部の処理はより複雑になっている。 パソコンのソフトウェアでも相性問題というなんだかよくわからないことが 起きるように、デジカメのソフトウェアも怪しい現象が起きるようになっているのかも しれない。なんだか某Microsoftのソフトみたいだ。


コンパクトもダメだったデジタルカメラ

リコー Caplio R1 のファインダがボケるので修理に出した。 帰ってきた明細を見るとレンズユニット交換となっているが、ファインダは 直っていなかった。カメラを修理する技術ももはや失われたらしい。 点検済みとはなっているが、実際は点検もしていないのであろう。 ファインダなんか見るな、ということなのかもしれない。

ただ、リコーだけが悪くて、他のメーカーはきちんとしている、とは思えない。 電子制御になって電子的な技術は向上したのかもしれないが、精密機械を 生産する技術を日本の企業は失ったらしい。先行き不安だねえ。


その2へつづく